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保育園の建設工事中、保育はどうする?園を運営しながら増築・改修を進める3つのポイント

2026.10.01

 

こんにちは! 株式会社ヤモリの代表 飯田です。

「園舎が古くなってきたので改修したいが、工事の間、子どもたちをどこで保育すればいいのか…」 「保育室を増やしたいけれど、園を開けたまま工事なんて本当にできるの…?」

すでに園を運営されている理事長・園長先生から増築や改修のご相談をいただくとき、必ずと言っていいほど出てくるのが、この「工事中の保育」の不安です。

新しい土地に建てる場合と違い、今ある園舎の増築・改修は、園児と先生方が毎日過ごしている場所のすぐ隣で工事が進みます。 計画の立て方次第で、保育への影響は大きくも小さくもなります。

実際に、準備が足りないまま工事を始めると、次のような困りごとが起きやすくなります。

  • 工事中に使える保育室が足りなくなり、クラスの移動が何度も発生する
  • 工事の音でお昼寝ができない、行事の練習ができない
  • 送迎の時間に工事車両と保護者の車が重なる
  • 園庭が使えず、外遊びの時間が減る

今回は、園を運営しながら増築・改修を進めるときに押さえておきたい3つのポイントを解説します。


ポイント①:工事を「場所」と「時期」で分け、使えない部屋を出さない

園を運営しながらの工事で最初に決めるのは、園舎全体を一度に工事しないことです。 建物をいくつかの区画に分けて順番に工事を進め、保育に必要な部屋を常に確保します。

  • 増築の場合:先に増築部分を完成させ、そこへ保育室を移してから既存園舎の改修に入る
  • 改修の場合:保育室を順番に工事し、その間はホールや遊戯室を一時的な保育室として使う
  • 給食室・トイレ・手洗い:止まると保育ができない場所なので、使えない期間が最も短くなる順番を最初に決める

一時的に部屋を移す回数は、できるだけ少なくします。 特に乳児クラスは環境の変化の影響を受けやすいため、移動が1回で済む順番を優先して考えます。

時期の分け方も重要です。 音や振動の大きい解体工事、水や電気を止める必要がある設備工事は、夏休みや年末年始、土曜・日曜など園児の少ない時期に集中させます。

運動会や発表会、入園説明会といった園の行事予定と工程表を重ね合わせ、「この週は大きな音を出さない」といった取り決めを、設計の段階で工事の条件に入れておくと安心です。

ポイント②:園児の動線と工事の動線を完全に分ける

次に大切なのが、園児・保護者・職員の動線と、工事関係者・工事車両の動線を交わらせないことです。

  • 工事をしている区域は仮囲いで仕切り、園児が近づけないようにする
  • 工事車両の出入口を送迎の出入口と別にし、登園・降園の時間帯は資材の搬入を止める
  • 園庭の一部が資材置き場になる場合は、外遊びの場所と時間をあらかじめ決めておく
  • お昼寝の時間帯は、音の出る作業を避ける
  • 工事をする区域が変わるたびに、災害時の避難経路が確保されているかを確認する

音だけでなく、ほこりや塗装のにおいにも配慮が必要です。 工事をしている区域との間をしっかり仕切り、保育室の換気ができる状態を保つことも、計画に含めておきます。

これらは工事が始まってから建設会社にお願いするのではなく、設計図や仕様書にあらかじめ書き込んでおくことがポイントです。 見積もりの段階で条件がそろっていれば、建設会社も安全対策を含めた計画を立てることができ、「聞いていなかった」という行き違いを防げます。

ヤモリは設計事務所として、工事が始まってからも第三者の立場で現場を確認します。 園を運営しながらの工事では、図面どおりに進んでいるかに加えて、園児の安全と保育への影響が最小限になっているかを、工事中の打ち合わせで先生方と一緒に確認していきます。

ポイント③:計画の段階から、先生方と保護者に共有する

工事中に園を支えるのは、現場の先生方です。 どの部屋がいつ使えなくなるのか、その間の保育をどこで行うのかを先生方が知らないまま工事が始まると、日々の保育に無理が生じます。

ヤモリでは計画の初期から、理事長・園長先生だけでなく、実際に園舎を使う先生方の声を伺います。 「この時期は乳児クラスを動かしたくない」「給食の配膳ルートは変えられない」といった現場の事情は、工事の順番を決めるうえで欠かせない情報です。

保護者への説明も早めに行いましょう。 工事の期間、送迎時の動線の変更、安全対策を事前にお伝えしておくことで、不安やお問い合わせを減らせます。 「子どもたちのために園舎を良くしている」ことが伝われば、完成を楽しみにしていただけるきっかけにもなります。

工事の進み具合を園だよりや掲示でお知らせしたり、安全な場所から子どもたちが工事の様子を見られるようにしたりすると、園舎ができていく過程そのものが、子どもたちにとって貴重な体験になります。

建て替えでも、既存園舎を使いながら進められる場合があります

増築や改修では対応しきれず建て替えを選ぶ場合も、考え方は同じです。 一般的な建て替えは、仮設園舎を建てて引っ越し、旧園舎を解体して新園舎を建て、もう一度引っ越すという流れになり、園児と職員の環境が2回変わります。

ヤモリでは、敷地の条件と運営状況が合えば、既存園舎を使いながら段階的に建て替え、仮設園舎を建てずに新園舎へ移る計画をご提案しています。 茨城県五霞町の五霞幼稚園・保育園では、増改築の繰り返しで段差が多くなっていた園舎を、仮設園舎を建てずに既存園舎を使いながら建て替えました。

完成後は、職員室のフリースペースで先生方の休憩や情報共有がしやすくなり、「気持ちにゆとりを持って子どもたちに対応できている」とのお声をいただいています。

ただし、敷地の広さや運営状況によっては難しい場合もあります。 まずは現地を拝見し、どの進め方ができるかを一緒に整理します。

ご相談の前に整理しておくとスムーズなこと

「まだ何も決まっていない」という段階でもご相談いただけますが、次のことを整理しておくと、園を運営しながらの工事が可能かどうかを早く判断できます。

  • 今の園舎で困っている場所(雨漏り、段差、トイレ、保育室の不足など)
  • これからの園児数とクラス編成の見通し
  • 年間の行事予定と、工事を避けたい時期
  • 既存園舎の図面(なければ、ない旨をお伝えください)

まとめ:工事中の保育は、設計の段階で決まります

今回は、園を運営しながら増築・改修を進めるための3つのポイントをお伝えしました。

  • 工事を場所と時期で分け、保育に必要な部屋を常に確保する
  • 園児の動線と工事の動線を分け、その条件を設計図と仕様書に書き込む
  • 計画の段階から、先生方と保護者に共有する

園を運営しながらの増築・改修は、工事が始まってからの工夫ではなく、設計の段階でどこまで決めておくかで結果が変わります。 「うちの園でも開けたまま工事できるのだろうか」と迷われた段階で、ぜひ一度ご相談ください。


 

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